ここ数年で注目度が高まっているオンライン本人確認、通称「eKYC」は、様々なデジタル技術が発達して情報がシームレスに行き交う現代社会においては、必要不可欠なシステム基盤であると言えます。
このeKYCを理解する上で欠かせないのが、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策(以下、AML/CFT)のための規制として機能する犯罪収益移転防止法(以下、犯収法)です。主に金融機関等を規制する法律として、日本におけるKYCを牽引しているとも言えます。
一方でこの犯収法、さまざまな専門用語が前提となっており、また細かい改正がなされていることで、最新の細かいルールをしっかりと理解できていない、という声を多く耳にします。
本記事では、そんな犯収法の理解を深めるべく、JAFIC(Japan Financial Intelligence Center:警察庁 刑事局 組織犯罪対策部 組織犯罪対策企画課 犯罪収益移転防止対策室)による「犯罪収益移転防止法の概要」および「令和3年 年次報告書」の冊子をベースにして、詳しく解説していきます。これを読めば犯収法のあらましを理解できる状態を目指して執筆しましたので、同法について知りたい方はぜひご覧ください。
※2022年12月2日参議院本会議で可決・成立した改正法の内容についても追記しております