バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」を運営するEC戦略部では、ファンとのつながりを重視し、安心・安全な購買体験を提供するための取り組みを続けています。
近年はサステナブル貢献活動「PREMIUM BANDAI SUSTAINABLE ACTION 2024-2030」を掲げ、多様な人が楽しめるECサイトづくりを推進。その施策のひとつとして、本人確認プロセスを強化するeKYCの導入が進められました。
本記事では、サステナブル貢献活動の取り組み内容や、数ある事業者の中からTRUSTDOCKを採用いただいた理由などについて、サービス&カスタマーチームの方々にお話を伺いました。
本記事のポイント
【ニーズ】
・安心・安全なEC体験のための「質の高い」本人確認の実施
・社外専門業者への本人確認業務のアウトソース
【導入後の効果】
・離脱率が上がることなく、お客様に安心・安全にご利用いただく仕組みの構築を実現
導入サービス:プレミアムバンダイ

プレミアムバンダイは、こどもから大人までいつでもどこでも楽しめるバンダイナムコグループ公式通販サイト。プレミアムバンダイでしか買えない限定商品やさまざまなキャラクター商品を取り扱うショップが集まり、幅広いジャンルの商品を取りそろえている。
利用しているeKYC本人確認API
✅ 個人身元確認API
✅ プロフェッショナルサービス(確認業務委託)
「プレミアムバンダイ」の本人確認業務において、eKYC本人確認APIサービス「TRUSTDOCK」、およびプロフェッショナルサービスを利用しています。
サステナブル貢献活動の一環としてのeKYC導入
--まずは御社のEC戦略部 サービス&カスタマーチームについて教えてください。
EC戦略部では、「プレミアムバンダイ」という2009年4月にオープンしたバンダイナムコグループ公式の通販サイトを運営しています。多くのIP(知的財産)をもとにしたさまざまな商品をお客様に届けるだけでなく、一歩上のサービスとして、ファンの皆さまとの繋がりに重きを置くようなサイトを目指して運営しております。その中でも、我々サービス&カスタマーチームでは、主に「お客様との窓口」と「国内外における物流」の部分を担っています。
--「国内外」ということは、海外への発送なども担当されているということですね。
北米やアジア、ヨーロッパ、今年からはオーストラリアなどで各地域向けのプレミアムバンダイサイトを開設・運用しております。そちらで購入いただいた一部商品のうち、日本から直接発送が必要なものもあるため、その物流を担当しています。
--TRUSTDOCKソリューションの運用を開始されたのが2022年ということで、eKYC導入検討のきっかけを教えてください。
端的にお伝えすると、お客様に安心・安全にお買い物をしていただくためのサービスを届けるための施策の一環です。プレミアムバンダイでは「PREMIUM BANDAI SUSTAINABLE ACTION 2024-2030」という形で、サステナブル貢献活動に関するページを公開しており、その中の「4つのマテリアリティ(重要課題)」の一項目として、「多様な人が楽しめるECサイトと責任あるマーケティングの追求 安心・安全・健全で多様性に寄り添ったECサイトを目指します。」と掲げています。
これ自体は2024年に公開したものなのですが、その前段の取り組みの一つとして、昨今の通販体験を取り巻くさまざまなリスク対策の一環として、eKYC導入の検討を進めました。
PREMIUM BANDAI SUSTAINABLE ACTION 2024 - 2030特設ページ
「質の高さ」と「BPOの存在」が導入の決め手
--複数のeKYC事業者/サービスがある中で、どのように情報収集されましたか?
実は社内に本人確認サービスに関わる業務をしていた者がおり、そのメンバーを通じて情報収集していきました。TRUSTDOCKさんのことも、その際に知りました。
--TRUSTDOCKに決めていただいた要因も教えてください。
一番は、これまでの実績を踏まえた本人確認の「質の高さ」です。金融業界のような厳格な本人確認が求められる業界でも問題なく稼働しているということで、安心・安全に向けた仕組みとして最適だと考えました。
また、BPOサービス(※)を提供している点も大きなアドバンテージでした。本人確認書類のチェックのような専門的な業務を社内で滞りなく実施するのは、情報セキュリティや社内教育など、複数の観点でハードルがあると考えました。その点、“その道のプロ” の方々が目視チェックしてくれるということで、そこも大きな決め手になりました。
※Business Process Outsourcingの略。TRUSTDOCKでは、専門センターでの本人確認の目視確認業務などを「サービス」として提供しています。なお、このBPOを包含するBPaaSの概念については、以下の記事もご参照ください。
▶︎BPaaSとは?一般的な業務委託/BPOとの違いや、活用メリット、BPaaS利用時の注意点などを解説
--システムの導入についてはいかがでしょうか?何か課題などは発生しましたか?
開発そのものは別部署のメンバーが担当したのですが、特に大きなトラブルなく、スムーズに進んだと聞いております。
--2022年11月に運用開始してから現在に至るまで、運用の方はいかがでしょうか?
基本的にはTRUSTDOCKさんのBPOチームの方で対応してくださっているのですが、何かあった際は、我々サービス&カスタマーチーム内で対応するようにしています。こちらも、特に大きなトラブルや事故が発生することなく、運用できております。
本人確認業務のスムーズな運用は、安定したシステムの稼働はもちろん、BPOチームの貢献が大きいと感じています。不正チェックなど、必要なスクリーニングをプロの目線で行ってくれるので、自分たちで判断するべきことの量が減り助かっています。
継続的な「安心・安全なEC体験」の実現に向けて
--TRUSTDOCKの導入効果についてはいかがでしょうか?
なかなか定量的な数字でお伝えすることができないのが残念ではありますが、当初期待していた通り、ユーザー管理含め、お客様に安心・安全にご利用いただく仕組みができていると感じています。
--eKYCを導入すると顧客にとってのステップが増える分、離脱リスクが高まるといった懸念を示される事業者様もいらっしゃいます。その点はいかがでしょうか?
結果として離脱にはつながっていないと感じています。実はeKYCの仕組みを入れる前に「SMS認証」を導入したのですが、その際もステップが増えることによる離脱の懸念が議題としてあがりました。ただ、これについても結果として特に大きな影響がなく、スムーズにお客様に受け入れていただけましたね。
--ありがとうございます。最後に、TRUSTDOCKに対する今後の期待を教えて下さい。
おかげさまで、本人確認にまつわる社内工数は間違いなく効率化されており、お客様にとっての安心・安全な仕組みづくりにも貢献いただいていると感じています。今後、より多くの方にプレミアムバンダイをご利用いただきたいと考えておりますので、ユーザー数の増加にあわせて、eKYC導入の効果もより大きくなっていくと期待しています。
また冒頭に申し上げましたとおり、弊社では「PREMIUM BANDAI SUSTAINABLE ACTION 2024-2030」を策定し、サステナブル施策を推進しています。サイトでも「プレミアムバンダイはプレミアムなお買い物を通じて、たのしく、やさしいみらいへつながるサステナブル活動に取り組んでいきます!」と宣言しており、これに向けて、引き続きご一緒できたらと考えております。
PREMIUM BANDAI SUSTAINABLE ACTION 2024-2030特設ページ末には、プレミアムバンダイのサステナブル施策をイメージ化した「プレバンの木」が表現されており、そこでプレミアムバンダイ公式ナビゲーターのぷれみとピビットが各取り組みについて紹介している
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「TRUSTDOCK」は、eKYC(オンライン本人確認)業務に関するソリューションを、顧客ニーズに合わせてワンストップでご提供する、導入社数業界No.1※のサービスです。API導入のみの場合から、目視確認を含めた全ての確認業務を受託する場合まで、クライアントの状況に合わせた最適なDXソリューションをご提案いたします。
※2024年12月時点での、eKYCのコア機能を自社開発しているサービスにおける導入社数(東京商工リサーチ調べ)
各法改正による取引のオンライン化の解禁によって、eKYCサービスを導入する企業は増加し続けています。
eKYCの基礎情報やメリット、導入ポイントについて簡潔に知りたい方は、ぜひ以下の資料もご活用ください。
【eKYC入門ガイド】オンライン本人確認の基本〜導入のポイントがわかる
なお、KYCやeKYCの詳細については、以下の記事もあわせてご覧ください。
▶︎「KYC」という概念や、関連する用語の意味から詳しく知りたい方
KYCとは?あらゆる業界に求められる「本人確認手続き」の最新情報を徹底解説
▶︎「eKYC」の動向について詳しく知りたい方
eKYCとは?オンライン本人確認のメリットやよくある誤解、選定ポイント、事例、最新トレンド等を徹底解説!
(文・長岡武司)