「スタートアップへの転職」は不安もあった。大手Slerでのエンジニアとベンチャー企業の経験をもとに、いまは「社会インフラづくり」に挑んでいる

エンジニア

更新日: 2021/12/21

目次

    PM担当として、大手SIerでのシステムエンジニアの経験や、ベンチャー企業で研究機関や製薬企業の研究者のIT支援の経験を持った中川隆広がTRUSTDOCKにJOINしました。

    中川は「スタートアップへの転職は不安もあった」とも、「TRUSTDOCKはたまたま見つけた企業だ」とも話します。そんな中川は、いまではこれまでの職務経験を活かしてセールスと開発の間を取り持つ緩衝材になりつつ、PMチームの組織づくりにも取り組んでいます。

    知らなかったスタートアップ企業への転職をどう決断できたのでしょうか?中川の転職インタビューを公開します。

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    株式会社TRUSTDOCK PM 中川隆広

    大手SIerでのシステムエンジニアとして、5年間のプロジェクトで数億〜10億程度の自治体基幹システムリプレイスプロジェクトに携わる。協力会社含めチームにおけるプロジェクトマネジメント業務、パッケージ製品のクライアントとの現場での課題管理や スケジュール管理などを実施。
    ライフサイエンス領域のITソリューションを提供するベンチャーに転職し、ソフトウェア開発事業部の営業担当となる。学会やフォーラムでの現場での新規開拓、マーケティング企業との営業戦略立案とテレアポで接点を持った企業へのwebによる新規開拓、公共系ユーザへの予算計画ヒアリングや入札対応などを実施。

    2021年8月、TRUSTDOCKにPM担当として入社。セールスとエンジニア、社内と社外、プロダクトとユーザーをつなぐ緩衝材として双方の意見の調整、課題対応策を提示している。PMチームの組織づくりにも携わり、「PMチームが入れば気づいたら事が進んでいる」チームを目指している。

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    「あったらいいのに」をやろうとしていたのが、TRUSTDOCKだった

    ――前々職では大手Slerでのエンジニア、前職ではソフトウェア開発事業部の営業担当だった中川さんは、どういったきっかけで転職活動をはじめたのでしょうか?

    中川:会社の方針と私の考え方がずれたことがきっかけです。会社はプロダクトをつくり出すことは目指さず「予算を持つ顧客の受託開発及びベンダーに対する協業で成長していく」戦略を打ち出しました。私は「投資する分野だと思っている」と言われていたデータ分析チームに関わっていて、「何かプロダクト開発のきっかけになれば」と活動していた時期でした。

    ――「なんだ、やらないんだ」と思っちゃいますね。

    中川:そう思ったら、行動に移していました。そんな経緯もあったので、いわゆる「転職活動の軸」は、「プロダクトが中心に据えられている」「経営陣が目指す先がはっきりと分かる」、「面白そうだと思う」です。

    ――「面白そうだと思う」という直感もあるんですね。

    中川:これは前職の上司の影響を大きく受けています。仕事も含めて「人生は面白くせないかん」と考えているひとでした。

    「転職活動の軸」ははっきりしていましたが、TRUSTDOCKを知ったのはまだ様子見のときです。たまたま知った企業ですね。eKYCの事業内容を確認したところ、自治体の基幹システムのSE時代に「本人確認をオンラインでできたらどれだけ便利か」と思ったことを思い出しました。「やりたいと思っていたことをやろうとしている企業なんだな」とわかりました。「面白そうだ」と直感が動いたことを覚えています。

    ――具体的にはどんな場面で「eKYCがあったらいいな」と思ったのでしょうか?

    中川:最初のキャリアが、自治体基幹システムのシステムエンジニアで、市役所の原課の方々と膝を付き合わせて、PKGシステムの導入を行っていました。その業務の中でも、特に住民票周りの仕事を中心に携わっており、マイナンバーの導入時も関わっていました。

    その仕事の中で、マイナンバーはそのまま利用できませんが「民間側と連携する仕組みさえあれば、もっと便利なことができますよね」と、当時の仲間と会話してたのを覚えています。

    ――既にeKYCのニーズを体験していたんですね。

    中川:そうですね。「あのときできなかったことをやろうとしている会社は、どんな会社なんだろう。どんな人たちなんだろう」と興味が湧いたので、選考に進みました。

    転職の決め手は「かつて自分が諦めていたことを、この会社ならもう一度挑戦できるんじゃないか」と感じさせてくれたことに尽きます。

    関連記事も読んでいると、会社全体がプロダクトを中心に考えていて、それを経営陣がしっかりビジョンとして発信していると感じられたので、選考に進みました。

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    「すり合わせる面接」を経て、スタートアップへの入社の不安を乗り越えた

    ●選考では「見られている。測られている試験」と感じることはなかった

    ――選考に進んで、最初に会ったのは誰でしたか?

    中川:カジュアル面談のときの、CEOの千葉さんでした。「考えていることを出し切るつもりで話してくれてるのかな」と思うくらいに情報を伝えてもらいました。加えて、自身の経験や思いもあり、随分と共感して話が弾んだ覚えがあります。

    ――相性の良さが確認できたカジュアル面談だったんですね。

    中川:続く面接においても、「見られている。測られている試験」よりは、「互いの考え方をすり合わせる会話」だったように思います。総じて、共感することや「こんなことができそうですよね」といったように多くの可能性を見つけていただいて発見のある面接でした。

    ――「すり合わせる会話」はどんなときに感じましたか?

    中川:面接を進める中で、Web面接のタイトルが変わったときがありました。当初は「PdM」だったのが、「PM」に変わったんです。「その役職は募集してないですよね?」と感じたので「どうして変わったんですか?と聞いてみると、「これまでの会話の内容から、社内外合わせて調整する場面が重要だと思ったんです」と伝えられました。すり合わせの最たるエピソードだと思います。

    ――面接の段階でも、相性の良さが感じられますね。

    中川:でも、「これは落ちたな」と思った面接もあります(笑)。取締役の肥後さんとの面接です。話の筋について、「随分と論理的に整理される方だな」という印象で、私の話でわからない部分や曖昧な箇所を丁寧に突っ込まれました。最後に「中川さんの考え方の背景には、組織のことが必ず頭にありますよね」と導き出されたときに「そういうことです」と納得しました。本質を見抜かれた感覚になったことは、正直驚きました。

    ――「自分の本質がわかる面接」は多くはないですよね。

    中川:私にとっては初めての体験でした。CEOの千葉さんとの最終面接も印象に残っています。千葉さんと世間話のような空気になっていたところを、他の役員がストップをかけて「せっかくの機会なので、私たちを見極める質問をください」と言ったんです。見極める立場に置かれるとは思わなくて、内心驚いた記憶があります。

    ――「面接は企業と求職者は対等である」と言われるとはいえ、「見極める質問をしてください」には驚かされますね。

    中川:とても印象に残っている一幕です。また、質問をさせていただいたとき、技術サイドの話をしている中、千葉さんはビジネスサイドからの判断を自然とフォローされたのを目の当たりにしました。ビジネスサイドと技術サイドでバランスの取れた良いチームだなと思ったことも印象に残っています。

    ●入社には不安はあった。でも、とある方と妻の一言で踏ん切りをつけられた

    ――選考は順調に進んでいたようですが、入社を決断する際には不安はなかったのでしょうか?

    中川:前職はベンチャーっぽい開発会社でした。そこでは、いわゆる前々職で染み付いた癖や、組織や仕組みの統制が整っていることを前提にした姿勢から脱することになり、大変な目に遭いました。そのため、不安がなかったと言えば嘘になります。

    ――不安はどのように拭えたのでしょうか?

    中川:面接でしっかりと話をしてくれたTRUSTDOCKの経営陣に魅せられたんだと思います。最後の踏ん切りについては、とある方と妻がきっかけです。とある方には「良縁なんだから迷わず行け」、妻には「面白そうと思ってる顔をしていて、止まらないんだから好きにすれば」と言われました。

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    PMとして、セールスと開発の間を取り持つ緩衝材役割を担っている

    ――入社後はどんな仕事をしていますか?

    中川:PMの目的は「社外の協力いただくベンダーの方々とのコミュニケーションや調整」「社内においては、セールスと開発の間を取り持つ緩衝材的な役割」だと考えています。日々の業務を並べると3つにまとまります。
    ・営業と開発の両面の会議に参加し、ビジネスサイドと開発サイドの状況把握をして、必要なときにアウトプットして伝える

    ・特に営業のエンタープライズチームと協働して、ユーザーへの提案時から技術サポートや社外も含めた協力関係各位との調整役を担う

    ・協業先とのコラボ企画にも参加させていただいていて、「こういったアライアンスができるのでは?」や、「BPOの体制強化を図りたい」などの社内ニーズに答えられるようにする

    ――セールスチームとも連携しているんですね。

    中川:今はセールスの高橋さん、上井さんとのタッグが最も多いと思います。ユーザーと案件の話が開始された際に、エンタープライズチームでは先方からの仕様書などが出てきます。その要件の確認や、「こうできないか?」「ここはこうじゃないとだめなのか?」などを確認しながら、要件を詰めていくフェーズに携わっています。

    ――セールスチームとユーザー企業の橋渡し役でもあるんですね。

    中川:他にも自治体関連の案件や協業先との検討会に参加していることも多いですね。

    ――他チームとどのように連携を深めているのでしょうか?

    中川:もっぱら、定例やSlackで情報交換をしつつ、「この場合はこんな結果になるだろう」と仮定しながら話をしていくと、いつの間にか連携は深くなっていってるように思います。

    ●イメージが伝わるコミュニケーションで、連携を深めている

    ――中川さんが個人的に意識していることはありますか?

    中川:意見や仮定の結論だけでなく、「なぜそう考えるか」も含めて伝えるようにしていることと、具体例などイメージしやすい形で伝えるようにしているつもりです。そういった具体と抽象を共有していくことが、結局は深い連携をするための礎になるんじゃないかと思っている次第です。

    ――そのコミュニケーションの取り方は、いつ身につけたのでしょうか?

    中川:大手のSlerで自治体基幹システムに携わり、自治体の方々と直接関わってきたときの経験が生きているのかもしれません。ここで原課の目上の担当者様に説明するために、横文字ではなく例え話をするようにしていました。イメージが伝わるようにコミュニケーションを取っていた癖がついたのだと思います。資料の作成なども体系的に身につけました。こういった業務知識や入札案件の捌き方などは「現場でしか培えない貴重なものだったんだ」といまになって感じています。

    ――他にいまの仕事に役立っている経験はありますか?

    中川:研究機関や製薬企業の研究者の方々へのIT支援をしたときに、ある意味で大手SIで染み付いていた固さみたいなのをぶっ壊されたように思います(笑)。システムの要件どころか、何ができれば良いのかから話になることも多く、システムで要件を満たすことが主だった私にはかなり刺激が強かったです。

    ――何か失敗談などありますか?

    中川:一度、研究者の方々に「ここまでに要件を決めて、ここで開発をして」と細かくスケジュールを組んで会議をしたら「何を言っているんだ?」と怪訝そうな顔をされた苦い思い出もあります。

    いまでは結局何がどうなったら「幸せ」ですか?ということを根本にするようになっています。「モノ・カネ・ひと」でできることのうち、何を重視するかを検討することが日常茶飯事になったことは役立っているのではと思います。また、ときには「決まっていたことも再検討した方が良いんじゃないか」や「一番小さいところからはじめてみましょう」という柔軟な対応も活かせています。これは小回りがきくエンジニアの仲間が助けてくれる中で身についた前職での良い経験だったと思います。

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    「頼る」「頼られる」ができるPMチームになっている

    ●いい意味で「お節介なひと」が集まったチーム

    ――最近入社した中川さんから見て、PMチームはどんなチームでしょうか?

    中川:いい意味で「お節介なひと」がいて、総じて「何でも首を突っ込んでいくチーム」なんじゃないかと思っています。だからと言って、ひとりで何でもやりきることを強いられるわけでもなく、頼ることも頼られることも自然とできている分別も持ち合わせています。器用なチームと言えるかもしれません。

    ――チーム自体は、今年(2021年)できたばかりのチームでもありますね。

    中川:まだまだボスの肩の荷が軽くなっていないと自戒を込めて思うところではあります。それを由々しき問題だとメンバーが捉えてる点では、ボス思いのチームとも考えています。

    ――鈴木さんは中川さんと同期入社ですね。

    中川:鈴木さんは「いやぁ、まだまだですよ」とか言いながらも、しっかりチャットとかで転がってるノウハウを公開できる形に落とし込んでは、すごい勢いで更新していくんです。頼りにしています。

    たまにユーザとの会議にも二人で挑む事があり、私が話す担当みたいになっています。鈴木さんは事前事後の情報の整理をきちんと行ってくれているからこそできることなので、とても丁寧な仕事スタイルです。この場を借りて、いつもありがとうございます。

    ●「大人スタートアップ」だと思ったら、40歳を超えた私は年長者側だった(笑)

    ――こうして入社して会社やメンバーのことがどんどんわかってきたと思います。入社前と後で、TRUSTDOCKのイメージが変わった点はありますか?

    中川:「TRUSTDOCKは大人スタートアップ」と聞いていたので、入社して40才を超えた私が年長者側の人間だったと知ったときには、ちょっとショックでした(笑)。30代半ばのひとや20代中盤のひともいたりして「みんな結構若いやん」って心の中で突っ込みました(笑)。

    ――「落ち着いている」という意味の「大人スタートアップ」だったんですね(笑)。

    中川:あと、会社が主催する公式の飲み会がないのは確かですが、お酒が好きなひとは結構いるとわかって安心しています(笑)。時期が来たら親交を深めたいですね。また、Slackなどでも気軽なやりとりやツッコミも多く、いじるのもいじられるのも楽しんでいける皆で安心しています。

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    街中で自然と自分たちのプロダクトが感じられるようにしたい

    ●インフラのような「スタンダードなプロダクト」を目指す

    ――入社して3ヶ月と日が浅いですが、これからはどうしていきたいと考えていますか?

    中川:デジタルアイデンティティの領域において「TRUSTDOCKが必ず後ろで見守っていくれている」と当たり前で、しかしなくなると困るインフラ的な立ち位置を目指せるプロダクトが出来ればと思っています。それこそ、街中で自然と自分たちのプロダクトが息づいてるのを感じるくらいまで「スタンダードなプロダクト」にしていきたいです。

    ――CTOの荘野さんも「Suicaのようなインフラになりたい」と話していましたね。

    中川:職種や役割が違えど、メンバーと同じ方向を向けることがわかるとうれしいですね。

    チームに関しては、いまのPMのイメージとしては「困ったことがあったら傍にいつの間にかいて」、「解決に向けた支援を自然と差し出してきて」、「気づいたらすんなりと事が進んでいた」というようなチームにしたいです。

    ――自然と手伝っているんだけど、それを感じさせないようなチームですね。

    中川:そうですね。黒子的な感じですが、組織の中でとにかく相談できて、とにかく助けてくれてといったような、いい意味でのお節介なチームがいてもいいんじゃないかなと思っていますし、必須だということも強く感じています。

    ●「広くデジタル上の本人確認基盤」になるためなら、役割は問わない

    ――個人のキャリアとしては、どんなこれからを考えていますか?

    中川:PMという立場はたまたまいまの役割だと考えていて、デジタル身分証を通じて「広くデジタル上の本人確認基盤」になるために必要なことは、すべてやりたいです。そのためには、例えば未経験の職域でも何でもチャレンジするだろうと思います。

    ――ビジョンのために自分を活用するイメージですね。

    中川:そうですね。現状では、描いているPMのイメージを突き詰めて、チームとして動くための虎の巻のようなノウハウを培いたいですし、伝えていけるような仕組みも検討したいですね。

    ●多趣味な休日を過ごしています

    ――1年後、3年後などPMチームがどうなっているか楽しみですね。ちなみに休日はどのように過ごしているのでしょうか?

    中川:割と多趣味なので、趣味を楽しむことが多いです。インドアとしてはサブカルチャー好きで、漫画もアニメもゲームも手を出してます。最近は娘とゲームの腕前で張り合ってたりします。負けていますが(笑)。

    ――何のゲームをしているか気になります(笑)。

    中川:秘密にしておきます(笑)。

    アウトドア的にはDIYが趣味で、色々とつくっています。家具やウッドデッキ、塀を壊してガレージをつくっています。自宅を大きなプラモデルみたいな感覚でイジっています。

    ――ダイナミックな趣味ですね!

    中川:農業にも手を出していて、いまは2000平米ほどの畑を耕してます。これは採れた玉ねぎです。

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    ――大きくて豊作ですね!

    中川:用いる道具も自分で作ったり、メンテナンスしていて、製造から50年経っている耕耘機を調子良く動くように修理したりもしています。

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    ――中川さんが何のひとかわからなくなってきました(笑)。

    中川:さらに混乱させますが(笑)、バイクに昨年から復帰しました。大型二輪免許を免許センターで一発試験を7回受ける羽目になりましたが、無事取得して、前職の方達とツーリングに行ったりもしています。こちらは、古いバイクを譲り受けたので、これまた直し直し乗っています。

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    中川:自前が好きなのかもしれませんね。
    横に逸れた話に夢中になってしまいましたが(笑)、これからもデジタル社会のインフラをつくるために、PMチームや他のチームとの連携を深めていきます。

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