ポストコロナの「信頼のデザイン」とは?シェアエコメンバーと共に考える 〜SHARE SUMMIT 2021レポート

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更新日: 2021/10/18

目次

     2021年10月5日、一般社団法人シェアリングエコノミー協会が主催する日本最大のシェアカンファレンス「SHARE SUMMIT 2021」が開催されました。第6回目となる今回のテーマは “Sustainable Action” ということで、これからの持続可能な経済社会システムに向けての様々な選択肢が提示され、またディスカッションされる時間となりました。

     コロナによって急速な暮らしのデジタル化が進み、また安心・安全があらゆる側面で期待されるようになった状況下において、シェアリングエコノミーはそこに対してどのように貢献できるのか。本記事では、その中でもTRUSTDOCK代表の千葉が登壇したトークセッション「企業と個人の新たな関係構築〜ポストコロナの信頼のデザイン〜」の内容をレポートします。

    登壇者情報

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    • 佐藤 史佳(株式会社日本経済新聞社 フィンテックエディター)
    • 馬場 光(株式会社 DeNA SOMPO Mobility 代表取締役社長)
    • 和田 幸子(株式会社タスカジ 代表取締役)
    • 千葉 孝浩(株式会社TRUSTDOCK 代表取締役)

    身元確認手法にも、もう少し多様性やグラデーションがある方が良い

     ここ数年で市場としての注目度が増しているシェアリングエコノミーですが、その一方で、トラブル発生のきっかけになっているケースを耳にすることも多くなっています。例えばユーザーが民泊先で騒いだことで近隣住民との間でトラブルが発生したり、エンドユーザーの自宅で器物を破損してしまうなど、様々なケースが存在します。コロナ禍において利用者数がますます増加している段階だからこそ、安全・安心への取り組みがますます重要となっていると言えるでしょう。

     そんな中、シェアリングエコノミー各社は、どういう枠組みでサービスを設計していくべきなのか。これについて順番に意見が述べられました。

    sharesummit2021_02「タスカジ」は家事の仕事をしたい個人と、家事の仕事をお願いしたい個人がマッチングするサービス(サービスインは2014年7月)。現在は関東・関西・東北の一部エリアでサービス展開中で、登録ユーザー数は90,000人を超えている(2021年9月時点)

     

    「何よりもまずは、プラットフォーマーがリスクを包み隠さず伝えるというスタンスでいることが大事でしょう。また別の観点での取り組みとしては、弊社では自主的に「シェアリングエコノミー認証」を取得しています。これは協会と国が一緒に作った「共同規制」の仕組みで、導入することで年に一度の監査が入り、シェアエコ企業として一定のルールに基づくチェックが入るようになります。これがシェアエコ全体でワークすることが、最も大事かなと思います」(和田氏)

     

    sharesummit2021_03「Anyca(エニカ)」は、クルマをシェアしたいオーナーと使いたいドライバーをマッチングするカーシェアサービス。リリース以降の累計カーシェア日数は28万日以上、会員数は50万人以上、登録者種数は1,000車種以上、クルマ登録数は20,000台以上となっている(いずれも2021年6月時点)

     

    「個人と個人の信頼を作るような仕組みを作らねばなりませんし、プラットフォーマー側もオープンでなければならない。和田さんのおっしゃる通りだと思います。必要十分な情報がアプリ上に提示されているのかを確認し続けることが大事ですし、さらには他プラットフォーマーと連携しながら進めていくと、加速度的にシェアエコの中で信頼を積み重ねていけると思います。まさに今、その議論をしているところです」(馬場氏)

     

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    「TRUSTDOCKも様々な制度の検討会などに入っていまして、昨年4月に経産省から報告書が出た「オンラインサービスにおける身元確認に関する研究会」にも、シェアエコ協会と共に委員に入っていました。

    そこで、「身元確認だけ身分証を提示する必要があってすごく敷居高いよね」という話がありまして、身分証を出さなくても身元確認できる仕組みがあってもいいよねという内容での議論がなされました。私たち自身、毎回毎回身分証を提示するのもナンセンスだと考えていまして、身元確認手法にももう少し多様性やグラデーションがある方が良いと感じています」(千葉)

    「名乗る側」と「確かめる側」の両方に取り組むことが大事

     それでは具体的にどんなことを進めていけば良いのでしょうか。各登壇者より、現時点での取り組み内容が紹介されました。

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    「こちらはユーザーさんとの信頼構築のために取り組んでいることをマッピングしたものです。どういうときに人と人との信頼が発生するのかを考えると、期待値を超えたときだと言えます。なので、保険対応といった守りの対応だけではなく、このような攻めの対応も、全体感をもって進めていく必要があると思って取り組んでいます」(馬場氏)

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    「タスカジでは、安全・安心への取り組みを何重にも重ねることで取り組んでいます。プラットフォーム側で取り組めることはかなり限定的で、本当はユーザー自身にも考えていただく形での進め方が望ましいと考えています。そのうちの一つが、みんなで作る「信頼データベース」です。気になったことや、良かったこと悪かったことを全部蓄積していくことで、何かあったときに参照できるようにしています。あとは、ユーザー参加型の円卓会議も今年から始めました。プラットフォーマーとホストとゲストの三者会議で、そこにシェアエコ協会が入っての四位一体の会議体となっています。それぞれが個人で理解していたリスクなどを、知見として共有されていくのがメリットだと感じています。第一回目は春だったのですが、今後も継続的にやっていく予定です」(和田氏)

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    「本人確認を考えるとき、“名乗る側”と“確かめる側”という両方の話があると思っています。名乗る側(主に個人)の支援をすることで、確かめる側(主に企業)の確かめる力が向上してコストも下がることにつながると思っているので、両方取り組むことが大切だと考えています」(千葉)

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    「また、先ほどの話に関連するところで、何度も身分証を提出しなくてもいい取り組みとして、「デジタル身分証アプリ」も提供しています。こちらはまさに、名乗る側の話です。必要最低限の情報だけを連携できたら、いちいちリアルなカードのデータを自社DBで管理する必要もなくなるわけです。

    さらに、今年の夏からは「デジタル社会の本人確認に関するアドバイザリーボード」を設置して、社外有識者の皆さまと共に、デジタルアイデンティティやeKYCのインフラのあり方を一緒に考えています。よりエレガントな仕組みを作っていけたらと思っています」(千葉)

     

     最後に千葉は、社会全体に対する今後の構想についてコメントしました。

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    「本日ディスカッションした世界を実現するには、もっとデータ流通が健全にできた方がいいなと思っています。その際、一社だけで何かをやるのではなく、プロトコルを共通化して流通性を高める形でデジタルtoデジタルの設計ができたら、社会全体でグルグルといろんなものが回っていくんじゃないかなと思います」(千葉)

     

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     今回お伝えした思想の基盤として、TRUSTDOCKでは様々なeKYCソリューションおよびデジタル身分証アプリをご提供しており、シェアリングエコノミーをはじめとする多様な業種業態での実績を有しているので、本人確認の実装等でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

     また、eKYCソリューションの導入を検討されている企業の方々や、実際に導入プロジェクトを担当されている方々のためにPDF冊子eKYC導入検討担当者のためのチェックリストを提供しております。eKYC導入までの検討フローや、運用設計を行う上で重要な検討項目等を、計12個のポイントにまとめていますので、こちらもぜひご活用ください。

    eKYC導入検討担当者のためのチェックリスト

     

     なお、KYCやeKYCの詳細については、以下の記事も併せてご覧ください。

    KYCとは?あらゆる業界に求められる「本人確認手続き」の最新情報を徹底解説

    eKYCとは?日本唯一の専門機関のプロがわかりやすく解説

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    (文・長岡武司)

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