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eKYC導入でドタキャン率が軽減。シェアエコの信頼の土台となる「本人確認」談義 〜SHARE SUMMIT 2020レポート

イベント/セミナーレポート

更新日: 2020/12/09

目次

    一般社団法人シェアリングエコノミー協会が主催する、日本最大そして国内唯一のシェアカンファレンス「SHARE SUMMIT 2020」。シェアリングエコノミーが、日本経済と消費者のライフスタイルにどのような変革をもたらしていくのかについて、政府・自治体・企業・個人、あらゆるセクターが集ってディスカッションを進める学びの場となっています。

     本記事では、その中でもTRUSTDOCK代表・千葉が登壇したセッション「プラットフォーム環境の未来〜シェアエコ周辺ビジネスの可能性〜」についてレポートします。eKYCや信用スコア、キャッシュレスなどプラットフォームの安全性や機能性を高めるテクノロジーが登場しつつある中、周辺機能のアップデートがプラットフォームビジネスをどのように変えるのか。その可能性について議論がなされました。

    登壇者情報

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    • 上田 祐司(株式会社ガイアックス代表執行役社長)※モデレーター
    • 小川 嶺(株式会社タイミー代表取締役)
    • 村山 恵一(日本経済新聞社編集局コメンテーター)
    • 千葉 孝浩 (株式会社TRUSTDOCK代表取締役)

    本人確認はシェアリングエコノミーの一丁目一番地

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     セッション最初のテーマは、TRUSTDOCKが専門とするKYCについて。モデレーターである上田氏は、本人確認はシェアリングエコノミーの”一丁目一番地だ”と表現。本人確認のプロであるTRUSTDOCK代表の千葉は、従来のWabサービスからのニーズの変遷について言及しました。

    千葉:「これまでのデジタルで会員登録をする世界というものは、情報の“閲覧”がメインの手続きトランザクションだったので、メールアドレス確認やSMS認証で済むことが多かったわけです。一方で最近では、リアルな生活の様々な業務や手続きがデジタル化しているので、その分、しっかりとした身元確認の重要性も高まっていると感じています。

    本人確認は、シェアリングサービスを安心して利用するための土台の一つじゃないかなと思っています。」

     実際に、単発バイトアプリ「タイミー」を運営する小川氏も、TRUSTDOCKの本人確認APIソリューションを導入している企業として、クライアント企業からの思わぬ効果も含めて、その必要性を強調しました。

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    小川:「私たちが対象としているのは、実際にオフラインの場で働くことが前提となる企業様です。「一体誰がくるの?」「何かあったらどうするの?」という不安に対してトータルで対応してもらえているのは、非常に助かっています。

    あと具体的な効果としては、ワーカーさんによるドタキャン率が減ったという点が挙げられます。身分証を提出することで、悪いことをやったら後々大変なんじゃないかというイメージを持つからか、ワーカーさんの質が非常に高くなった印象です。」

    千葉:「まさに小川さんがおっしゃる通り、匿名の世界だと色々なことが起こる世界の中で、しっかりとした身元確認はトラブルの抑止にも繋がっていると感じます。」

    オンラインで身元確認できるソリューションが、本当に少ないのが問題

     さらに「抑止力以外には何があるか?」と問われると、千葉からは「有事の際の公的機関とのスムーズな連携」が挙げられました。

    千葉:「例えば何かインシデントが発生した時にも、手がかりが何もないと警察も初動が取りにくいという側面があります。対してしっかりと身元確認ができていると、その観点のリレーションも迅速にできるというところが本人確認のメリットだと言えます。」

    村山:「個人的に思ったことは、本人確認のような仕組みは、せっかくデジタル時代なのである程度柔軟性を持たせて、サービスの特性によってはすごく丁寧に本人確認し、一方で別のサービスではより迅速性・柔軟性を持たせるといった、グラデーションをもたせる形もあるのかなと感じます。その辺りはいかがですか?」

    千葉:「そもそもまず、オンラインで身元を確認できるソリューションが、本当に少ないのが問題だと感じます。身分証をアップロードする以外に手立てがない。当人性の確認については、SMS認証や音声でやったりなど、多様な生体認証があるにも関わらず、ですよ。

    例えば、サービスごとに毎回免許証をアップロードするというのも、よくよく考えたら本当に必要なのか?と思うわけです。身元確認ができるソリューションが、もっと増えるべきだなと感じます。」

     これについてタイミー小川氏からも、本人確認情報のシェアリングが前提となる世界について言及がなされました。

    小川:「日本中の多くの人が人生で一度は何かしらのシェアリングサービスを触ったことがある、という世界になっていくかなと思った時に、例えばスペースマーケットを使っていた人がタイミーを使う時に、そのまま本人確認情報や信用情報をリンクさせていくような世界を、シェアエコ協会が作っていかねばならないと思っています。」

    しっかりと“ユーザー起点”で情報の共有をするべき

     次のテーマはこの「信用」について。個別のサービスを使った履歴を共有するという構想について、本当に実現して問題ないものなのかが議論されました。

    村山:「過去にサービスを利用した際の実績や評価など、一種の足跡がデジタルに残るような時代になってきていると思います。個人情報やデータの問題はあると思いますが、ポジティブな意味で、そういうものをうまく蓄積して、頑張っている人はそれなりの信用がついて報われるような世の中であって欲しいなと、個人的には思っています。

    なので、サービスの実績が客観性のある形で蓄積されて個々人の信用として積み上がっていくことが大切だと感じます。一般的には年収などから始まりがちですが、そういうものだけで測れる社会でもないので、新しい信用の積み重ね方は興味深いし期待したいところだと思っています。」

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    小川:「私も、信頼を共有していったほうがいいなと思っています。ただ、一社で芝麻信用(ジーマ信用)のような仕組みを作ろうとしたら難しいわけで、シェアエコで生活していく上で、足りない部分をみんなで補っていこうという姿勢が大切だと思っています。」

    千葉:「一点だけ、履歴の共有は企業が勝手に裏側で共有するとかではなくて、しっかりと“ユーザー起点”でやるべきだと思います。そういうモデルなり流通網を作るべきかなと思います。」

     これに対して、一回何か信用を毀損するようなことをやってしまった場合、二度と信用が戻らなくなるという話も存在しますが、ここについては各社とも、個別の対応や注意が必要とのことで一致していました。

    千葉:「そういうディストピアを作ってはいけないと思っています。僕らは全員、言ってしまえばソーシャルメディアの第一世代なわけで、消えないデジタルタトゥーみたいなソーシャルカースト制度なるものができるんじゃないかと想像してしまいます。

    そんな世界にしてはいけないので、そのためにも一社単独ではなく、みんなで考えていかねばならない問題だと感じています。」

    小川:「弊社の場合は、何かミスを犯したとしても、復活の仕組みを作るようにしています。一ヶ月間は休む必要があるが、そのあとでまた復活して仕事ができるなど、です。それ以外にも、例えばボランティア的な要素を入れて復活の仕組みも検討しています。」

    様々なプロトコルと連携して、色々な流通網を皆さんと作っていきたい

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     信用の話からテーマはギグワークへと変遷し、先日米国カリフォルニア州で住民投票承認された「Proposition 22」(※)を例に、働き手の安心・安全をどのように担保して実現するかについてのディスカッションが展開されていきました。

    ※Proposition 22:労働者権利の保護を目的に2020年1月に施行されたカリフォルニア州法「AB5」において、ギグワーカーが対象外となる内容を定めたもの。ギグワーカー従業員ではなく、独立した請負業者として扱うことが決定した。

     また最後に、参加者より「KYCをしっかりとしていたら信用情報は不要なのではないか?」という質問がなされ、これに対して千葉からは以下のような回答がなされました。

    千葉:「本来はどちらかと言うと、信頼情報の方が重要だと思います。ライドシェアであれば運転スキルが重要ですし、家事代行であれば家事スキルが重要です。

    本人確認は、言ってしまえば土台となる情報に過ぎないので、各トランザクション・各領域において様々な信用を蓄積していく世界であるべきかなと思っています。」

     TRUSTDOCKでは、“本人確認のプロ”として企業のKYC関連業務をワンストップで支援するAPIソリューションを提供し、またデジタル身分証のプラットフォーマーとして様々な事業者と連携しています。セッション最後のコメントでも千葉からは、広く連携を前提としたプラットフォームとしてのあり方が明言されました。

    千葉:「僕たちは身元確認のインフラをしっかりと整備して、シェアリングサービスなどがクイックに立ち上げられ、すぐにスタートできるようなプラットフォームを目指しています。

    そのためにも僕ら単体ではなく、様々なプロトコルと連携して、色々な流通網を皆さんと作っていきたいと思っています。」

    (文・長岡武司)

     

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