中古買取時の郵送での本人確認は、方法によってはユーザ側・運営側ともに大きな負担になるものです。オペレーションのミスも発生しがちで、お客さまの記入ミスや身分証不備など様々な起こりがちです。eKYCを導入して本人確認をオンライン化することで、リユース事業の様々な課題を解決可能できます。
ソフマップ様では、リユース事業を軸にESGの取り組みを加速させる上でTRUSTDOCKサービスを導入いただきました。オンライン本人確認サービス選定の経緯や、今後の事業活動に向けたビジョン等を伺いました。
導入サービス:ラクウル
買取アプリ「ラクウル」は、パソコン、スマートフォン、デジタルカメラといったデジタル家電のほか、ゲームやフィギュアといったアイテムをかんたんに売ることができる。
買取手続きはダンボールの数・集荷日の登録と買取に出したいアイテムの梱包だけで、後は集荷を待つのみ。また売却代金は、集荷から数日後にアプリに届く査定の結果をみて、売るアイテムを選んだのち、アプリ内のウォレットを通じて、好きなタイミングで引き出すことができる。
利用している本人確認API
✅ 個人身元確認API
買取手続きにおける初回のダンボールの数・集荷日の登録の際に、e-KYC/本人確認APIサービス「TRUSTDOCK」を使っての本人確認を実施。確認のとれたユーザーだけが、サービスを利用できる仕組みを採用しています。
インタビュイー
写真右:長谷真彦[Masahiko Nagatani]
株式会社ソフマップ
リユース事業部 部長
写真左:有馬雄樹[Yuki Arima]
株式会社ソフマップ
経営企画部 カスタマーソリューションプロジェクト 係長
アプリ版サービスのリリースに合わせてTRUSTDOCKを導入
--まずはTRUSTDOCK導入までの経緯について教えてください。
長谷:もともとラクウルは、今のようなアプリサービスではなく、パソコンなどが簡単に梱包できるように工夫された梱包箱と申込書などが一式揃った通信買取用のキットでした。それが、昨今のCtoCサービス市場の広がりに鑑みて2017年12月よりアプリ化の企画をスタート。半年後の2018年7月にリリースしました。TRUSTDOCKは、そのタイミングに合わせて導入しました。
--アプリのリリース時に、お二人はどのようなお立場だったのでしょうか?
長谷:私はリユース事業部、中古事業を取り扱う部署に所属しておりその中で、他社との提携買取を拡げることに注力していました。当社はもともと、パソコンなどのデジタル家電には強いのですが、例えば衣類やブランド品などは専門外でした。その領域の買取も進めるべく、該当領域に強みを持つ企業との連携を進めてまいりました。
有馬:私はラクウル開発プロジェクト担当として、企画から導入、開発、リリース後の利用促進のための施策まで、トータルで見ております。
--TRUSTDOCK導入以前、つまりはアプリサービス以前では、どのように本人確認をされていたのですか?
有馬:お客様が返送するダンボールの中に、本人確認書類のコピーを同梱していただく流れにしていました。
アプリ化を進めるにあたって、本人確認のオンライン化はもちろん、煩雑化していた各種オペレーションも改善する必要があり、TRUSTDOCK導入を決めました。
社長直談判で、検討開始から2日でTRUSTDOCK導入を決定
--煩雑化していた各種オペレーションとのことですが、具体的には何が煩雑だったのでしょうか?
有馬:まず、お客様のオペレーション自体がミスを誘発しやすいものでした。また弊社サイドでも、品物の到着時に書類の目視確認をして、問題がないかを全て人力でチェックしていました。しかも、本人確認専任ではなく他業務との兼務という状況です。
アプリサービス化のタイミングで、本人確認に付随する業務を自動化することも、ソリューション選定のポイントでした。
--なるほど。TRUSTDOCK以外で検討されたサービスはありましたか?
有馬:当時、マイナンバーカード対応含めてeKYCを提供していたところは見当たらなかったので、正直、TRUSTDOCK一択でした。当時から官公庁と連携したり、導入事例も多かったこともあり、社内共有から選定完了まで「2日」で完了しました。私の方で、当時の社長に直談判して進めました。
--まさに猪突猛進のスピード感ですね!導入期間としてはいかがでしょうか?
有馬:あらゆる業務分岐を検討して自動化する必要があったので、設計に2ヶ月ほどかかりました。引っ越しをしたらどうするべきか、再審査の場合はどうするかなど、システムで自動判定できるようにするため、色々なパターンを検討しました。
結果として、今でもほとんどメンテナンスを入れずに運用できています。
人の手を介さず、アプリだけで完結させる
--実際に運用開始されてみての効果はいかがでしょうか?
有馬:まず、24時間365日切れ目なく運用を続けることができるのは非常に大きいです。人々の生活が多様化する中、営業時間に縛られての提供だとどうしても離脱に繋がってしまうので、本人確認がいつでもできるのは効果が高いと感じます。
あと、日々変わりゆく法的ルールに則った新しいサービスを享受できることも大きいです。例えば最近ですと、健康保険法の改正に伴う保険証の取り扱いについての対応について、スピーディーにご提案いただき助かりました。
--今後、TRUSTDOCKに期待することは何でしょうか?
長谷:私たちの当面のビジョンとしては「人の手を介さず、アプリだけで完結させる」ことにあります。これはラクウルのようなリユース事業に限らず、あらゆるインターネットサービスについてです。
今はラクウルを通じて、いわゆる古物領域の本人確認のみを自動化していますが、今後は本人確認を一種のハブにして、あらゆるビジネスをつなげていくデザインをしていきたいと考えています。昨今の本人確認への注目に鑑みても、非常に重要な位置付けになると思います。
--ありがとうございます。最後に、読者の皆さまへメッセージをお願いします!
有馬:TRUSTDOCKの素晴らしいところは、eKYCと連動する形でデジタル身分証アプリも提供されているところだと思います。
あるサービスで本人確認が完了したら、別サービスを利用するときも、その時の本人確認強度に準じたものであれば「確認済み」として扱われる。非常に夢がある世界だと感じるので、そのゴールに共鳴しました。
掲げている社会の実現に向けて、引き続き共にサービス開発を続けていきたいと思います。
長谷:当社ではリユース事業をコアにして、環境循環型社会形成への貢献を目指しています。今年9月からはITAD(情報機器資産の処分)事業として浦安にセンターを設立し、不要になったパソコンの適切なデータ処分や、さらにそこから格安パソコンとして再流通させる仕組みの構築を進めています。
このようなSDGsに根ざしたビジネスにも、今後は本人確認がハブになっていくだろうと考えています。だからこそ、今のうちからeKYCの可能性を、TRUSTDOCKと共に考えて参りたいと思います。
画像出典:ソフマップ企業ホームページより
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TRUSTDOCKでは、“本人確認のプロ”として企業のKYC関連業務をワンストップで支援するAPIソリューションを提供し、またデジタル身分証のプラットフォーマーとして様々な事業者と連携しております。eKYCソリューションの導入を検討されている企業の方々や、実際に導入プロジェクトを担当されている方々に向けてはPDF冊子「eKYC導入検討担当者のためのチェックリスト」を提供しており、eKYC導入までの検討フローや運用設計を行う上で重要な検討項目等を計10個のポイントにまとめていますので、ぜひご活用ください。
なお、KYCやeKYCの詳細については、以下の記事も併せてご覧ください。
▶︎KYCとは?あらゆる業界に求められる「本人確認手続き」の最新情報を徹底解説
▶︎eKYCとは?オンライン本人確認のメリットやよくある誤解、選定ポイント、事例、最新トレンド等を徹底解説!
(文・長岡武司)