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社会全体のDXでは「個人と法人」両輪のアップデートが必要 〜金融DXサミットレポート後編

イベント/セミナーレポート

更新日: 2021/10/07

目次

     2021年9月29日〜10月1日にかけて、東京・日本橋の会場とオンライン配信のハイブリッド提供で開催された、日経新聞社主催カンファレンス『金融DXサミット』(Financial DX/SUM、読み方:ファイナンシャル・ディークロッサム)。「持続可能な社会へ向けて加速するデジタル変革」というテーマのもとで、金融およびテクノロジー領域に関わる事業者や当局者など、3,000名を超える参加者がオンライン・オフラインで参加しました。

     レポート後編となる本記事では、TRUSTDOCK代表の千葉が登壇した以下2つのトークセッションについてレポートします。いずれも登壇者が多いセッションとなりましたので、重要な部分をピックアップしてお伝えします。

    • ペイメントの未来 〜社会全体を巻き込むDXを目指して(9月30日開催)
    • Person of Financial DX/SUM 〜DXはやっぱり人だよね、スペシャル(10月1日開催)

    》前編記事はこちら

    農林水産省がTRUSTDOCKのデジタル身分証アプリを導入した理由 〜金融DXサミットレポート前編

    「ペイメントの未来 〜社会全体を巻き込むDXを目指して」

     こちらのセッションのテーマは「ペイメント」ということで、デジタル決済がDXの基幹インフラになりうるというテーマで議論が繰り広げられました。

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    テクノロジーの発達によってデジタル上での表現が広がっている

     登壇者の一人である三輪純平氏は、元々は金融庁にてフィンテック室長などを歴任された人物。現在はリクルートのプロダクト統括本部にてAirペイやAirレジといったプロダクト提供に携わっているとのことで、官と民それぞれを経験した立場としてのコメントがなされました。

    「金融庁にいた立場からすると、利用者保護的な問題というのはあるものの、このような領域はトップダウンで規制するという話ではなくて、民間の力をうまく使いながらやっていく分野であるんじゃないかなと思っています。社会インフラとして機能させるためには、増えたステークホルダーの中でどういうコンセンサスメイクするかという、ある種のガバナンスメカニズムみたいなものを今一度考えていかねばならないと思っています。もうそろそろ、コストとセキュリティのトレードオフ関係を解消したいと思っております」(三輪氏)

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     そんななかでTRUSTDOCK千葉からは、eKYCのみならず反社チェックやマイナンバー取得など、顧客確認プロセス全体のDXに携わっている立場として、個人領域にフォーカスされがちなペイメントにおける「法人領域」への展開の重要性がコメントされました。

    「ペイメントは、個人と法人を考えると、色々なサービスで個人の方が早いと感じます。本人確認の世界でも、オンラインで法人確認をするという部分ではまだまだアナログなところがあるわけです。個人と法人の間でやりとりをするにおいては、やはり両方ともDXしていくことが大事だと考えています。キャッシュレスやペイメントについて個人の普及が何%だみたいな話がある際には、法人の方のDXも何%まで上げないと実は個人の方も上がらない、みたいな世界もあるなと。そういうところで僕らは、個人と法人を同じ水準でアップデートしていくというのが、社会全体で必要なのではないかと捉えています」(千葉)

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     また多様化するペイメントの一形態として、「後払い」も議題として上がりました。特に今年9月に、BNPLサービスを提供する国内スタートアップ・ペイディを、決済大手のペイパルが3,000億円で買収したというニュースが流れたことで、後払い決済市場への期待が大きく高まっています。これについて千葉からは、実は真新しい概念ではないものの、テクノロジーの発達によってデジタル上での表現が広がっているとの見解が示されました。

    「後払いも概念としては古いと思っていまして、支払うタイミングという観点だと、前払い・同時払い・後払いという3つのタイミングがあり、それぞれにおいて細かくパターンの組み合わせがあると言えます。例えば古物の世界では、先にお金を払ってからモノを送ってもらうみたいな形がありますし、何かを入れ替えるだけでイノベーションが起こるみたいなものが、やはりペイメント軸で起こりやすいなと感じています。KYCの切り口で支援をしていると、こういうシーンにはよく出会すので、毎日非常に楽しいですよ」(千葉)

    大義名分を与えまくることで、DXはどんどんと進む

     DXのT(トランスフォーメーション)を実現するにあたっては、まさに様々なステークホルダーを巻き込む必要があります。では、具体的にどのように進めるべきか。これについて、次世代の提携クレジットカードサービスを提供するナッジの沖田貴史氏は以下のようにコメントしました。

    「決済って、実は面白い要素があまり含まれないと思っています。もちろん、ポイントが貯まる的な“お得”感はありますが、楽しい要素というとまた別です。この“楽しい”と感じる要素をいかに設計できるかがポイントなのではないでしょうか」(沖田)

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     またペイメントの中でも給与払いのDXについては、Kaizen Platform 代表の須藤憲司氏から、視点の持ちかたによって広がりかたが違ってくることが述べられました。

    「給与支払にも色々なパターンがあると思っていて、本業の1社から支払われる給与が、というところ以外からペイメントに入っていくと、めちゃくちゃな広がりがあると思っています。日々不便を感じていたり、多くの手数料を抜かれている言える領域は結構多いと思っているからこそ、チャンスも多いと考えています。金融サービスの「融」って、要するに「融ける」ということだと思うので、生きている中で融け込んでいけると、めちゃくちゃいいんじゃないかなと思います」(須藤氏)

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     最後にTRUSTDOCK千葉からは、DXという広い概念を推進するための一つのコツとして、“意図的に大義名分を与える”という提案がコメントされました。

    「日本人って、実は結構“祭り好き”と言いますか、何か“言い訳”があるとすごくやりやすくなる側面があって、いかに大義名分を得るかが地味に大切なのではないかと思っています。なんでも良いのですが、例えばキャッシュレス縛りでサービスを考えなければならないとか、イベントチックに大義名分を与えると「だってしょうがないから」と言って動きが加速する部分があると思います。ですので、社会全体でうまいことDXを使わせる言い訳を考えて、大義名分を与えまくることで、DXはどんどんと進むんじゃないかなと思います。

    いずれにしても、そのためにはデジタルtoデジタルの世界を作っていく必要があり、“勝者一人勝ち”ではなく全員でプロトコルAPIを合わせてぐるぐるとデジタル社会を作っていくことができたら、さらに前進するのではないかと思います」(千葉)

    「DXはやっぱり人だよね、スペシャル」

     もう一つの「Person of Financial DX/SUM 〜DXはやっぱり人だよね、スペシャル」セッションでは、金融DXサミットに登壇した各登壇者による、事前打ち合わせなしの「DX推進のための本音トーク」が展開されました。

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     大きなテーマとして、モデレーターの山田康昭氏(GiveFirst代表)より与えられたのは以下の「日本のデジタル化を阻害する要因」一覧。カンファレンス3日間のセッションを通じて集めた要因ということで、これに対しての意見や感じることが、各登壇者より述べられました。

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     数多くのコメントの中でも、例えばアクアイアジャパン カントリーマネージャーの小坂慎吾氏からは、3番目の「完璧主義で失敗を認めない」という要因に対して、早めの失敗こそがポイントだとのアドバイスがなされました。

    「初めの方から完璧主義というのはできないと思っていますし、失敗というのは必ずあるので、逆にリスクヘッジをしながら早めに失敗をするというアプローチの方が、デジタル化というのは早く進むのではないかなと思います」(小坂氏)

     

     また、今回のメインテーマが「人」ということで、「どんな人・企業・団体と組みたいか」という問いに対して、Xspear Consulting マネージングディレクター大崎邦彦氏からは以下のコメントが述べられました。

    「どこと組みたいかというと、“すべて”です。大企業からスタートアップ、金融からパブリックセクターまですべてですね。DXっていろんな境目が怪しくなるという現象だと思いますし、例えば現在金融インダストリーにいる人であれば、すごく侵食されてきていると感じていると思います。逆にいうとそれは変わるチャンスだとも思っていて、企業規模やインダストリーにかかわらず、最適なパートナーと最適なソリューションを作る気構えが最重要だと思っています」(大崎氏)

     

     最後に、千葉からは先述した別セッションでの「大義名分の必要性」とつなげる形で、以下のコメントが述べられました。

    「ここに挙げられた阻害要因を見ていても、“前例主義”というのは大きくあるのかなと思います。だからこそ、逆に前例がないことをやらなければならない縛り、みたいなことを全ての企業がやれば良いのかなと。それは大袈裟な話かもしれませんが、今回のカンファレンスで色々とお話ししていう中で、大企業がやらなければスタートアップだけでやるかみたいな話も出てきていたからこそ、まずは挑戦する方々で実績を作って、それを前例にして大企業含めてDXを進めていくというのも、一つアリなのではないかと考えています」(千葉)

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     TRUSTDOCKでは、“本人確認のプロ”として企業のKYC関連業務をワンストップで支援するAPIソリューションを提供し、またデジタル身分証のプラットフォーマーとして様々な事業者と連携しております。eKYCソリューションの導入を検討されている企業の方々や、実際に導入プロジェクトを担当されている方々のためにPDF冊子eKYC導入検討担当者のためのチェックリストを提供しており、eKYC導入までの検討フローや運用設計を行う上で重要な検討項目等を、計12個のポイントにまとめていますので、ぜひご活用ください。

    eKYC導入検討担当者のためのチェックリスト

     

     なお、KYCやeKYCの詳細については、以下の記事も併せてご覧ください。

    KYCとは?あらゆる業界に求められる「本人確認手続き」の最新情報を徹底解説

    eKYCとは?日本唯一の専門機関のプロがわかりやすく解説

     

    (文・長岡武司)

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