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電子契約とeKYCで加速する契約業務DX。新しい契約締結オペレーションのカタチとは?

イベント/セミナーレポート

更新日: 2022/05/27

目次

     2022年4月28日、キヤノンマーケティングジャパン主催のオンラインセミナー「eKYCを加えた新しい電子契約のカタチ」が開催されました。

    コロナ禍でのビジネス拡大やDX推進の取り組みが注目されるなか、様々なビジネスシーンでeKYCが導入され、また脱ハンコに向けた電子契約スキームが導入されるなど、契約書にまつわる業務のオンライン化が加速しています。

     本記事では、株式会社TRUSTDOCK セールスマネージャーである上井 伸介によるセッション「非対面取引における本人確認のデジタル化〜オンライン本人確認サービスのご紹介〜」を中心に、イベント当日の内容をレポートします。

    登壇者

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    ※写真左から

    • 上井 伸介(株式会社TRUSTDOCK Verification事業部 セールスマネージャー)
    • 久米 亜希氏(株式会社テラスカイ 製品営業部 ビジネスチームマネージャー)
    • 和田 智美氏(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 クラウドサービス企画課)

    2022年1月施行「改正電子帳簿保存法」の概要

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     まずはキヤノンマーケティングジャパン株式会社の和田 智美氏より、昨今の非対面契約における課題と最新動向について、電子契約と本人確認の関係も含めて解説がなされました。

     まず前提となるのは、2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法の存在です。電子帳簿保存法(通称:電帳法)とは、各税法で原則紙での保存が義務づけられている帳簿書類(国税関係帳簿書類等)について、電子データで保存する際の要件や、電子的に授受した取引情報の保存義務等を定めた法律。これまでEメールやWeb上での電子取引で受領した取引関係書類は、紙で印刷して保存して良かったのですが、2022年1月施行の改正法により紙での保存は不可となり、電子データとして保存することが義務化されました(猶予期間は2年間)。つまり、電子データでもらったものは電子データで保存する、ということです。ちなみに、紙でもらったものは、紙か電子データのどちらかで保存することができます。

     そんな中、電子取引からデータの保管までのオペレーションにまつわるソリューションを提供するキヤノンマーケティングジャパンでは、以下の通り、契約プロセスを「契約交渉」「決済」「契約締結」「保管」という4つのプロセスに分解し、それぞれを電子化するサービス、及びそれらを一元管理できる契約業務支援サービスを提供しているとのことです。

     以下の調査結果からもお分かりのとおり、電子契約は契約業務のスタンダードになってきており、検討中も含めれば実に85%以上の企業が導入へとポジティブになっている状況です。

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     一方で、主にセキュリティ面に鑑みた「不安」を原因に、電子契約に後ろ向きになるケースも存在します。そこで注目されているのが、契約者等に対する「本人確認」の実施です。

    電子契約の導入増加と併せて注目されるeKYC(オンライン本人確認)

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     この本人確認の概要について、今度はTRUSTDOCKの上井 伸介より説明がなされました。上図にある通り、本人確認は大きく2つ、「身元確認」と「当人認証」に分けることができます。

     身元確認とは、運転免許証やマイナンバーカードをはじめとする公的身分証のような書類等を使って、個人を特定する属性情報を確認する作業のことです。前述した書類以外にも、住民票や公共料金の支払い領収書といった補助書類を使う手法や、第三者が身元確認をして契約した契約者情報に依拠する形の手法も使われています。

     また当人認証とは、その時その場所にいて作業をしているのが本人であることを確認する作業のことです。認証手法としては「知識認証」(ID&パスワードや秘密の質問等)や「所有物認証」(物理的なカードやデバイス等)、「生体認証」(顔や指紋、虹彩等)が挙げられ、これらのいずれか1つで認証をすることを「単要素認証」、2つ以上の組み合わせで認証することを「多要素認証」と表現します。

     この身元確認と当人認証には、それぞれ「強度のレベル」というものがNIST(米国立標準技術研究所)によって定義されており、双方の強度を組み合わせることで本人確認の強度を高めていく、という考え方で導入を進めていく世界となります。

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     TRUSTDOCKは、この本人確認(KYC)に特化した専門機関の会社として、本人確認にまつわる様々な機能を、API(Application Programming Interface)の形式で提供している企業になります。特に、本人確認をオンラインで実施する「eKYC」手法については、該当の事業者(特定事業者)に対して厳格な本人確認の実施を定めている犯罪収益移転防止法で定義されているものから、よりライトに個人身元確認のみを実施するものまで、様々な強度への対応ソリューションを提供しています。

    「弊社ではSalesforceをはじめ、様々なCRMシステムや基幹システムなどにeKYCの機能をAPI形式で組み込んで提供しております。組み込み開発自体はわずか2週間程度で可能となっており、非常に簡単に実装することができます」(上井)

    canonekycseminar06TRUSTDOCKでは、「TRUSTDOCK-CRM」と呼ばれるSalesforceベースのカスタマイズ性の高いCRMも提供しており、取引/契約開始時におけるeKYCのみならず、契約中においても個人情報の最新化・最適化を行う「継続的顧客管理」の実現も可能にしている

     

     このように、ニューノーマル対応に伴う契約業務のオンライン化のトレンドに併せて、このeKYC導入へのニーズも日々高まってきている状況です。

    ケーススタディ:不動産業界における契約オンライン化+eKYC

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     ここまで紹介された電子契約及びeKYCについては、実に様々なビジネスシーンでの導入が考えられます。本セミナーではその具体例として、不動産業界のケースが提示されました。

     2021年にデジタル改革関連法案が成立したのですが、その中に、同業界に影響する宅地建物取引業法の改正(2022年5月18日施行)も含まれていました。内容としては、宅地建物取引士による押印の廃止と、重要事項説明書や契約締結時書面、媒介契約締結時書面などの紙書面を電子メール、もしくはWebサイトからダウンロード等で交付することが可能になるというものです。これにより、IT重説(PCやスマホ等を使って重要説明事項を実施すること)をはじめ、不動産契約におけるデジタル化が本格的に進むことになるでしょう。

     そしてこの際に重要となるのが、eKYCというわけです。国土交通省の「ITを活用した重要事項説明 実施マニュアル」では、以下のような記載がなされています。つまり、賃貸・売買契約でのオンライン化には、契約当事者本人であることを重要事項説明前に確認することが前提になっているというわけです。

    重要事項説明は、契約当事者が当該宅地建物に係る取引条件や権利関係等について事前に理解した上で契約を締結し、取引に係るトラブルを未然に防止する等の観点から行われるものです。したがって、説明の相手方が、契約当事者本人等(その代理人を含む。以下同じ。)であることは、重要事項説明における前提ともいえます。

    引用元:国土交通省「ITを活用した重要事項説明 実施マニュアル」p14

    「電子契約においては、身元確認(本人確認)は必須とされておらず、 当人認証のみで問題はございませんが、不動産の売買契約は犯罪収益移転防止法に準拠したeKYCが必要となりますので、ご注意ください」(上井)

     

     つまり不動産の売買契約においては、以下いずれかの非対面手法が必要になるというわけです。

    canonekycseminar08TRUSTDOCKが提供する、改正犯罪収益移転防止法 施行規則6条1項1号に記載されている本人確認における非対面手法8つ

     

     もちろん、賃貸・売買契約だけではなく、内覧の予約や現地確認、法人確認、士業の資格確認、オーナー確認、宿泊者の確認、そして出入り業者の確認など、様々な手続きについても、本人確認強度を調整しながら対応することが可能です。

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    「こちらはイメージ図です。上段は立ち会い型の電子契約ということで、当人認証のみを実施するパターンとなりますが、もっとセキュリティ強度を高めたいという場合は、下段のように身元確認も組み合わせて利用することができます」(上井)

    eKYCを加えた新しい電子契約のカタチとは?

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     セミナーではこの後、株式会社テラスカイの久米 亜希氏より、契約プロセスから電子保管までをワンプラットフォームで実現し契約業務のDXを一気に加速する仕組みとして、クラウド型グループウェア「mitoco」と電子契約サービス「クラウドサイン」(Salesforce版)の活用方法について説明がなされました。具体的には、社内業務のコンプライアンス強化と社外業務のペーパーレス化という両軸における、Salesforceプラットフォームを活用した一気通貫でのDXについて、同社クライアントの法人営業部での実例を交えて解説がなされました。

     

     以上のとおり、契約業務のDXにおいて電子契約と本人確認は、密接に結びついた関係にあります。最後の質疑応答にて、TRUSTDOCKの上井は以下のようにコメントしました。

    「電子契約とeKYCを組み合わせたソリューションの導入については、非常に多くの会社さまからお問い合わせをいただいております。現時点では、電子契約プラットフォームを提供する会社さんと協業する形で、電子契約の機能の一つとしてeKYCの提供をしております。契約の電子化はこれからもっと加速すると思いますが、その後には必ず、本人確認のオンライン化のご相談も増えていくと想定しておりますので、ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください」(上井)

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    <関連リンク>

    ・キヤノンマーケティングジャパン株式会社 電子契約クラウドサービス
    https://cweb.canon.jp/solution/e-contract/

    ・株式会社テラスカイ クラウド型のグループウェア「mitoco」
    https://www.mitoco.net/

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     TRUSTDOCKでは、“本人確認のプロ”として企業のKYC関連業務をワンストップで支援するAPIソリューションを提供し、またデジタル身分証のプラットフォーマーとして様々な事業者と連携しております。

     eKYCソリューションの導入を検討されている企業の方々や、実際に導入プロジェクトを担当されている方々に向けてはPDF冊子「eKYC導入検討担当者のためのチェックリスト」を提供しており、eKYC導入までの検討フローや運用設計を行う上で重要な検討項目等を計12個のポイントにまとめていますので、ぜひご活用ください。

     

     なお、以下の記事でeKYCおよびKYCについても詳細に解説していますので、こちらも併せてご覧ください。

    ▶︎eKYCとは?オンライン本人確認を徹底解説!メリット、事例、選定ポイント、最新トレンド等

    ▶︎KYCとは?あらゆる業界に求められる「本人確認手続き」の最新情報を徹底解説

     

    (文・長岡武司)

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