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スタートアップで男性社員が育休したらどうなる?育休体験をレポートします〜転職して8ヶ月目で育休を取得。セールスマネージャー・高橋幸司の育休インタビュー〜

作成者: TRUSTDOCK Staff|2021/07/26

「スタートアップで男性社員が育休を取ると、どうなるのか」。TRUSTDOCKでは、セールスマネージャーの高橋幸司が2020年2月から2週間の育休を取得しました。この経験をスタートアップでの働き方をさらに良くする材料にするため、インタビュー形式でレポートします。

レポートは前編と後編にわかれます。前編では「男性育休が与えるプライベートへの影響」が中心テーマです。後編では「男性育休が与える仕事や会社への影響」をお伝えします。

高橋は2019年7月にTRUSTDOCKに転職し、2020年2月から2週間の育休を経営陣に直談判しました。「もちろんいいよ!」と会社がサポートにすぐに動き、許可され育休がはじまりました。

妻は2019年11月から産休、2020年1月から2021年3月末まで育休を取得したのちに、復職するスケジュールで動きました。

株式会社TRUSTDOCK セールスマネージャー 高橋幸司

大学卒業後、新卒で大手クレジットカード会社に入社し、営業・事業開発などを経験。小売向けクレジットカードの発行などの新規事業の立ち上げおよび事業管理を担当した。

その後、建設系ベンチャー企業に転職し、Fintech事業の事業開発・アライアンスを担当。Fintech業界の拡大におけるKYCの重要性を感じ、社会のインフラとなるような分野でサービスを広める仕事をしたいと考え、2019年TRUSTDOCKにセールスマネージャーとして入社。

男性の育休取得率は、過去最高でも6.16%。まだまだ少数派の意思決定である

高橋の育休インタビューをお伝えする前に、日本企業での男性社員の育休を概観してみます。

厚生労働省が2019年の6月に発表した「平成30年度雇用均等基本調査」では、男性の育休の取得率は6年連続で上がり続け過去最高の6.16%になりました。

しかし女性の82.2%の取得率と比べると、男性社員の育休にはまだまだ課題があることがわかります。

「育休を取りたいけれど、スタートアップでは難しいのか」と悩んでいる。
「男性社員の育休は会社にどんな変化があるのか」と検討している。

そんなスタートアップの男性社員の育休に興味をお持ちの方に、参考にしていただければ幸いです。

男性育休の取得者の生の声をお届けします。

男性社員は考え抜いて「育休を取りたいです」の一言を会社に伝える

高橋:まさかスタートアップに転職して育休の話をするとは思いませんでした。妻にも見せられる話にしないと(笑)。

――奥様の原稿チェックを入れましょうか(笑)。
実は、男性の2週間の育休は、「長い期間の育休取得」と言えます。2019年の7月に発表された雇用均等基本調査によると「5日以上、2週間未満」、「2週間以上、1ヶ月未満」を合わせて26.2%という数字が出ています。

高橋:ほんとですね!「5日未満」が56.9%と過半数なんですね。「2週間取っても短くて意味ないかな」と悩んでいました。十分とは言えないかもしれないですけど、2週間という日数は少ないわけではないんですね。

――平均を考えると大きな決断と言えるかもしれないです。

高橋:まだまだ男性にも「家族よりも仕事を優先する」意識が強いですからね。私もためらいがなかったわけではありません。だから会社に育休取得の希望を話すときには緊張していました。

――しかも高橋さんは転職して8ヶ月目での育休取得です。

高橋:そうなんですよ。こういった自分の状況もあって、「2週間の育休を取得する」決断は私なりに考え抜いた結果でもありました。同時に、「その意思をしっかりと伝える必要がある」とも思いました。

――会社はどんな反応でしたか?

高橋:まず経営チームが全員集まる日に話したかったので「ご相談がございます」と事前にメールをしました。

それで、会議の場で「2週間の育休を取らせてください!」と伝えたら全員一致で「いいよ!」と言ってもらえました。拍子抜けしましたね〜。

――「え、退職しちゃう?」と思える流れですね!

高橋:あ、やっぱりそうですか!実際に役員の一部は良からぬ予感をしていたそうです(笑)。伝えたその場で「そんなことか!安心した〜!」と言っていました(笑)。「育休」をいい意味で「そんなこと」と表現できる経営チームは素敵ですね。

株式会社TRUSTDOCK CEO 千葉孝浩

千葉:高橋は転職してわずか8ヶ月でTRUSTDOCKのセールスの一手に担っていたので、会社のことだけを考えれば貴重な戦力を失うことにはなります。けれど、高橋の家族への思いに応えたかったんですよね。僕は常日頃から、「キャリアプランとライフプランの両方」を各メンバーに確認するようにしています。だから、すぐに育休のオペレーションを整えましたし、2週間の間のクライアント様への対応などは私が行いました。(2020年2月当時)

――育休を後押しするひとの基盤があったんですね。

高橋:「育休の制度はあるけれど、とても取得できる空気じゃない」とよく聞きますよね。
TRUSTDOCKの経営陣は全員が子育てを経験しています。仕事と育児は両立できるし、それはひととして成長できると考えているのだと思います。

スタートアップの男性は「名ばかり育休」になってしまうのか?「いえ、授乳してみるほど育児しました」

――しかし高橋さん。世間では男性の育休取得の日数は「5日未満」が56.9%と過半数を超えている状況から、「名ばかり育休」とも言われるようになっています。

高橋:これは疑われていますね(笑)。妻と同じで私も育児は何事も「初めて」なので、大変でした。抱っこの仕方一つでも気を使います。首が座っていない時期は「かわいい!」よりも「いのちだいじに」を意識していた毎日です。

――しっかり育児を手伝っていますね!

高橋:あ、「手伝う」意識じゃだめなんですよ。育児は母親と父親のどちらが主体かという問題ではないんです。夫婦の共同作業ですから。例えば「寝かしつけようか?」ではなく「寝かしつけといたよ」とさらっと言えることが大事です。

――・・・「名ばかり育休」ではないことがよくわかりました!

高橋:ありがとうございます(笑)。でも、この育休期間で悔しかったことがあるんですよ。

――仕事でチャンスを逃したとかですか?

高橋:いえ、授乳できなかったことです(笑)。赤ちゃんがミルクを飲んでいるときの顔が安心に包まれているからなのか、やわらかい表情ですごくかわいいのです。何度か試したんですけどね〜。

――何を試したんですか?

高橋:授乳です!まぁ、当たり前のように出ませんでしたね〜。あ、誤解を生まないように写真は哺乳瓶を使っているものを入れました。育休を取っても身体の構造は変えられないようです(笑)。

――研究対象になってしまいます!でも、子どもの成長スピードは早いですから、「授乳できるかな」と思わなくもないです(笑)。

高橋:ほんとそうです。1日単位どころか数時間単位で成長してるんじゃないかと思えるほどです。子どもの成長スピードを間近で見守ることができた2週間でした。

男性の育休は子どもや妻だけのためじゃない。お互いの家族に会社と仕事を応援してもらえるようになる

――育休を取ってから、生活に変化はありましたか?

高橋:家族仲がよくなりましたね!娘の将来について妻と話す機会が自然に多くなるんですよ。「どのような生活がしたい?」、「どんな教育がいいかな?」と話題は尽きません。

――夫婦にとっても大きな2週間になったんですね。

高橋:娘が生まれてから私たちは妻の実家にいたので、自宅に戻ってから義母のヘルプがなくなることに、妻は不安を抱えていたはずです。その中で、微々たる力ですが不安や悩みをすぐに共有できる相手がいることは、妻にとってもプラスだったはずですし、何よりも夫婦にとってもプラスだったはずです。

――一番変化の大きい時期を一緒に過ごすことは大事ですね。

高橋:そうだ、妻の家族との会話も深められたんですよね。私の両親も含めて、「スタートアップなのに育休が取れるの?会社に迷惑がかからない?しかも男性だし」と心配してくれていました。

――上の世代の方々の方が、男性の育休は珍しいものに見えそうですね。

高橋:私たちの世代でさえ、男性の育休取得率は一桁ですしね。私の両親、妻の両親とも会話を重ねることで「男性の育休を後押ししてくれる素晴らしい会社で働いているんだね」と仕事についてもさらに応援してくれるようになりました。

――育休は会話をする時間を増やしてくれるんですね。

高橋:男性育休は子どもや妻、夫婦のためだけでなくお互いの家族のためにもなることがわかりました。たった2週間、されど2週間と言える濃い時間と言えます。

編集後記

「パパになるので私も授乳してみました」と高橋が言い始めたときは不安でしたが(笑)、こうして自己開示できるかどうかも、メンバーが安心して働けているかの指標になるかもしれません。

後編は男性育休が与える仕事や会社への影響をお伝えします。高橋が「男性の育休取得は、会社の継続的な成長を支える経営判断である」と話す理由は何なのか。

後編はこちらからご覧ください。

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