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プロダクトマネージャーの最大の役割は「何をつくるか」を決めること〜TRUSTDOCK COO・菊池梓インタビュー〜

経営

更新日: 2021/07/25

目次

    「プロダクトマネージャーとは何か」

    一つの答えはなく、実情は各社によって大きく異なりますが、何か共有されている定義や仕事内容はあるのでしょうか。

    そのため、今回はTRUSTDOCKのCOOである菊池に「プロダクトマネージャーがスタートアップに与える影響とは」をテーマにインタビューしました。

    話はプロダクトマネージャーとエンジニアとの関係、プロダクトオーナーから事業責任者とキャリアップしていくにはどんな経験が必要なのかにも深まりました。(2020年2月インタビュー実施)

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    株式会社TRUSTDOCK 取締役COO 菊池 梓

    2007年にWEBプログラマーとして株式会社ガイアックスに入社し、受託開発案件の開発、およびCS向け監視・ユーザーサポートツール等のプロジェクトマネジメントを経験。その後、株式会社コナミデジタルエンタテインメントにて海外向けゲーム開発を行ったのち、株式会社ガイアックス・アディッシュ株式会社にて新規事業の開発に取り組む。
    2016年にシェアリングエコノミー業界へのブロックチェーン技術の活用として、本人確認・デジタルアイデンティティを実装、後に本人確認サービス部分を「TRUSTDOCK」としてサービス化し、独立。TRUSTDOCKでは、業務執行の責任者として、営業支援・プロダクト開発内容の策定・オペレーション関連の顧客折衝・海外事業・海外技術調査等を行なっている。OpenID Foundation Japan KYCワーキンググループ ポリシーチームリーダー。

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    プロダクトマネージャーが「何をつくるか」を決断し、エンジニアが「どうつくるか」に集中する

    ――プロダクトマネージャーという言葉に求める期待や仕事内容は会社によって大きく異なりますが、TRUSTDOCKではどういった役割を担っていますか?

    菊池:TRUSTDOCKは本人確認API・デジタル身分証のプロダクトをつくっていて、まさにこの「何をつくるか」を決めるのがプロダクトマネージャーです。プロダクトマネージャーはスタートアップの成長、クライアントへの貢献の両方に貢献するポジションです。

    ――プロダクトの要ですね。

    菊池:一方で、CTOや開発陣には「どうつくるか」の部分に集中する、という形で役割を分担しています。つまり、いかに「変更可能性に強く」「持続可能な形で」求められている機能をつくるかに注力するのが開発陣です。

    ――プロダクトマネージャーは「何をつくるか」、開発エンジニアは「どうつくるか」を担うのですね。

    菊池:そうですね。時系列で区別すればプロダクトマネージャー が「何をつくるか」を決めて、開発エンジニアが「どうつくるか」の仕事に入ります。だから、求められているものが何なのかを探り、何の機能をつくれば、その機能をどう使えば解決できるのを考え、開発チームに共有することが主な仕事内容ですね。

    ――なぜその機能が必要なのかを開発陣にわかってもらえるように、詳しく説明する必要がありますね。

    菊池:エンジニアとの連携は必須ですね。プロダクトマネージャーは「開発手法をどうするか」には踏み込まないように注意しています。これはエンジニアの仕事です。お互いが自分の領域を持って、相手の仕事を尊重することで質の高いプロダクトが実現できるようにしたいんですよね。

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    開発スピードとプロダクトの安全性を両立させるスクラム体制を整えている

    ――TRUSTDOCKのプロダクトマネージャーは「何をつくるか」を統括するとのことですが、具体的にはどういった仕事になるでしょうか?

    菊池:今はWEBとiOS・Androidアプリの2本のスクラムが走っています。それぞれ1週に1回リリースして次週の実装内容を相談しているんですね。その中での仕事は、デザイナーとUIの相談をして開発チームにIssue化する、つまり「何をつくるか」を決めて共有することがプロダクトマネージャーの役割です。

    ――デザイナーとエンジニアと一緒に働くんですね。

    菊池:プロダクトマネージャーは2つの職種の架け橋になる重要なポジションです。 週に1回のレビューで成果物を確認し、次のマイルストーンを決めるというプロダクトの成長スケジュールを描くこともします。「プロダクトの成長に貢献している」感覚が得られるはずです。

    ――TRUSTDOCKのプロダクト開発チームの特徴はありますか?

    菊池:開発スピードとプロダクトの持続可能性の両立を重視している点です。片方を実現することは簡単なんです。スピードを落としてじっくりつくれば持続可能なプロダクトは出来上がります。でも、相反するように見える価値を両立させることが成長につながると考えています。

    ――開発スピードとプロダクトの持続可能性を両立させるために、会社として何を取り組んでいますか?

    菊池:個人の努力に依存することなく、仕組みを構築することに注力しています。例えば自動テストや自動デプロイ、監視体制や技術を駆使した監査などです。これによって不具合が起こりにくい開発スタイルが実現されて、開発スピードを落とすことなく安定性の高い状態を保つことができます。
    プロダクトマネージャーはこういった「相反する価値」を両立させるために何ができるかを考え、チームを動かす役割も担います。

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    チームには、「質の高いeKYCのプロダクトをつくる」意識が共有されている

    ――「質の高いプロダクト」というと、TRUSTDOCKではどういったプロダクトを目指していますか?

    菊池:TRUSTDOCKは「デジタル身分証をより世の中に広め、本人確認を安全かつもっと簡単にしていく」思いを共有しています。このビジョンを具現化できるものが「質の高いプロダクト」といえます。

    例えばそれは、クライアント企業が簡単にeKYC業務を自社の事業に組み込めるようにするために、標準化されたAPIを導入してもらうことです。

    ――e-KYC/本人確認APIサービス「TRUSTDOCK」で何が実現できるようになりますか?

    菊池:金融業界だけでなく、携帯電話を買うときや1万円以上の自分のものを売るときなど、いろいろな場面でeKYCが必要で、それぞれで本人確認手法が法律で決められています。TRUSTDOCKでは、各種法律に準拠したeKYCをAPI組み込みのみで実現します。

    ーー本人確認が必要になったらTRUSTDOCKのAPIをつなげば良い、という理解でOKでしょうか?

    菊池:まさにそうです。APIを繋ぐだけで、本人確認業務に関わる管理画面の開発や、オペレータの採用・教育、24時間体制でのシフト管理を行うことなく、低コストで本人確認を行うことができるようになります。

    アプリ版はこちらです。iOS・Androidアプリです。

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    ――「運転免許証」以外の公的身分証にも対応したんですね。

    菊池:そうですね。新しく「運転経歴証明書」「在留カード」「特別永住者証明書」「パスポート」「マイナンバーカード」「住基カード」の撮影に対応しました。特徴はアプリアップデート単体で完結する点です。よって、アプリの最新バージョンをダウンロードすれば適用されます。本アプリとアプリ連携している金融事業者側の改修はほとんど必要ありません。

    ――現状の開発状態はどうなっていますか?

    菊池:WEB版は10数種類のAPIを改善しながら提供している状態です。初期のバージョンから3年が経過して、その間に大幅な設計変更も複数回経験していて、かなり洗練されてきましたよ。
    iOS・Android版アプリは、肝となる撮影部分についての初期リリースは完了しています。これから本人確認手法やデジタル身分証の機能を追加していく段階です。

    ――最近実装した機能は何かありますか?

    菊池:タイ向けに、タイのNational IDの書類を追加してタイ語対応を行いました。タイも本人確認に関連する法律やガイドラインがあり、そのレベルも違います。日本と同様に、どのレベルの本人確認もTRUSTDOCKが提供できるように機能拡張していく予定です。(2020年2月時点)

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    社内外で「経営を体感する」こと。これがプロダクトオーナー、事業責任者への道になる

    ――TRUSTDOCKのプロダクトマネージャーはスクラム開発のプロジェクト経験が積めたり、eKYC領域の深い知識が身につきそうですね。

    菊池:そうですね。弊社のプロダクトマネージャーは機能を実装しきる力や危機管理能力は必ず身につきます。他にも得意なスキルや稼働時間、コミュニケーション手法がさまざまな開発メンバーと調整する経験も積めます。TRUSTDOCKのエンジニアはレベルが高いと期待していただければと思います。

    ――「優秀なエンジニアと働きたい」と願う人が多いですが、何を見て優秀かどうかを判断すればいいのでしょうか?

    菊池:私たちが解決したい課題をお伝えしたときに、自分の知っている範囲で解決するだけでなく、新たにどういうことを調べる必要がありそうか、より改善できる方法はないかと考えたり、調査してくださるかどうかが、一つの指標ではないでしょうか。それによって、期待値を大きく上回る解決ができるようになります。あとは、技術との向き合い方が、多面的であることです。

    ――技術に対して深い知識があればいいだけではないのでしょうか?

    菊池:先の話にも通じますが、どんな技術にも良し悪しがあります。新しいものが絶対的に良くて、古いものが絶対的に悪いと考えられるほど単純ではありません。だからレベルの高いエンジニアは、必ず新しい技術以外にも古い技術も知っていてそれぞれ良し悪しを見極めています。歴史から学んで技術を取捨選択できるんですよ。だから「どうつくるか」に集中できるエンジニアがTRUSTDOCKに集まりますし、プロダクトマネージャーや事業開発側と、より生産的な会話ができるんです。

    ーーその他の面では何かありますか?

    菊池:パフォーマンスを安定的に出せるエンジニアは実は少ないので、本当に貴重です。地味な話ですが、見積もりやテスト、業務時間や勤務時間を一定的にするなど、みんな工夫しています。

    ――「どうつくるか」を任せられるエンジニアがいるので、プロダクトマネージャーも「何をつくるか」に集中できそうですね。

    菊池:プロダクトオーナーに近い仕事なんですよ。実際にプロダクトオーナーになっていただきたいですし、ゆくゆくは事業責任者として活躍する舞台を整えるつもりですしね。

    ――プロダクトマネージャーが、プロダクトオーナーや事業責任者になるにはどういった経験が必須なのでしょうか?

    菊池:プロダクトの成長を一手に引き受けるということは、会社経営に近いものなんですね。どんな機能を実装していくか、メンバーとどう進めるか、クライアントにいかに価値を提供するかといった一連の仕事を経験します。だから経営の経験を早い段階で積んでおくことが鍵になるはずです。

    ――TRUSTDOCKのプロダクトマネージャーは経営に近いポジションですか?

    菊池:私や代表の千葉を含め、複数の経営陣と進めることができますし、クライアント企業の担当者も経営層が多いんですよ。社内外の経営陣と仕事ができるので、経営の視点の多様性も深さも体感できますね。

    編集後記

    プロダクトマネージャーの役割や身につくスキルを通じて、「プロダクトオーナー 、事業責任者へとキャリアップしていく経験、環境とは何か」を明らかにしました。

    これからさらに仕事を極めていく際の道標になれば幸いです。

    TRUSTDOCKは積極的に採用活動をしています

    TRUSTDOCKはeKYC市場を一緒につくる仲間を積極的に募集しています。

    ご興味をお持ちいただいた方は、こちらからエントリーいただけますと幸いです。

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