グローバルに事業を展開しているプロダクトがローカライズの際にぶつかる法律の壁。各国の法定要件に対応してオペレーションを構築するのは、大きな手間がかかるものです。
Tantan様では、Z世代が多く利用するアジアで大人気のマッチングアプリ「Tantan」の年齢確認に個人身元確認APIを導入し年齢確認業務の効率化を実現。API実装のスピードや導入後の効果、TRUSTDOCKの良い点についてお話を伺いました。
導入サービス:Tantan
「Tantan(タンタン)」は、趣味や好きなことを一緒に楽しめる友達が欲しい人のためのマッチングアプリ。ユーザーの現在地や距離、性格、好みをもとに、リアルタイムで近くにいるお相手が表示され、それに対して左右スワイプで「お気に入り」もしくは「パス」を意思表示する。互いにお気に入りスワイプがされるとマッチングとなり、メッセージ等のやりとりが可能となる。
利用している本人確認API
- 個人身元確認API
Tantan 日本版では、メッセージなどマッチング以降の利用のためには、出会い系サイト規制法に準拠したe-KYC/本人確認APIサービス「TRUSTDOCK」を使っての年齢確認を実施の上、サービスを提供しています。
担当者プロフィール
石川洋子[Yoko Ishikawa]
株式会社 Tantan Japan(探探)
Japan Country Manager
Z世代が多く利用するフレンドマッチングアプリ
--Tantanはもともと、アジアを基盤に展開されていたサービスですが、どのタイミングで日本進出されたのでしょうか?
石川:今年4月に日本版をリリースしまして、そのタイミングで私もカントリーマネジャーに就任しました。
--ちょうどコロナ禍でのリリースだったのですね。
石川:はい。でもおかげさまでユーザーは順調に増えており、プラットフォームとしても日々成長しております。
--メインでは、どのような方が利用されているのでしょうか?
石川:20代〜30代前半、いわゆる“Z世代”のユーザーがメインです。学生の方も多く、日本のマッチングアプリでメインとなる恋活・婚活目的だけではなく、趣味友や仕事の相談相手など、友達作りの用途で利用している方が多い印象です。
一ヶ月もかからなかった、日本特有の法定要件への対応
--日本進出にあたって苦労された点は何でしょうか?
石川:まず、日本の「出会い系サイト規制法」に準拠した年齢確認の実施を、アプリに実装させるのに苦労しました。
Tantanは台湾や韓国でも展開しているのですが、どちらの国でもこのような公的身分証による年齢確認の規制はなく、あくまでプロフィール画像認証のみ実施しています。
--プロフィール画像認証とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?
石川:アプリ内に「認証センター」があり、アプリ内カメラでセルフィーを撮影することで、プロフィールにアップロードされた画像の顔との一致性をみて、プロフィール画像を詐称していないことを確認しています。
Tantan 日本版では、各国共通の「プロフィール画像の認証」の他に、TRUSTDOCKによる「年齢確認」も、認証センターに実装されている
--なるほど。TRUSTDOCKのことをご存知になったのは、どのような経緯でしたか?
石川:ネット検索で識別符号付与業務の委託をされている事業者を探していた中で見つけました。お話を伺ってみると、導入実績が豊富で運用のイメージも簡単についたので、ほぼ決め打ちで導入決定とさせていただきました。
--サービスへのAPI実装はどれくらいのスピードで進みましたか?
石川:おそらく一ヶ月もかからなかったと思います。それもコロナ禍で色々なことが進みにくい状況下での話なので、通常時ではもっと速かったのだと思います。
APIでのご提供なので、複雑な作り込みが不要なことが、スムーズな導入のポイントだったと感じます。
APIだけでなく、届出書類の対応サポートも助かった
--年齢確認で弾かれたユーザーはどうなるのでしょうか?
石川:再度、指定の公的書類を提出していただく必要があります。問題のない書類による年齢チェックが完了するまでは、メッセージ以降の機能をご利用いただけません。
目的外利用の方はそこで離脱する傾向が高いので、コミュニケーションのとれるユーザークオリティを維持できています。
--TRUSTDOCKを導入をされて、想定外の効果などはありましたか?
石川:これは運用ではなく導入プロセスの話なのですが、インターネット異性紹介事業を始める際の届出書類の対応がとても楽でした。中には用意するのが大変な書類もある中で、これまでの実績に準じて多くサポートしていただけたので、これについても非常にスムーズに進めることができました。
特に海外発のサービス事業者にとって、この辺りの細かい部分は分かりにくく、対応の漏れが発生しやすいとも感じるので、とても助かりました。
--ずばり、TRUSTDOCKの良いところは何だとお考えでしょう?
石川:対応している身分証等の種類が多く、導入実績もたくさんあって、スピーディーで親身に対応いただけるところだと思います。特にスピード感については、色々と助かりました。
--ありがとうございます。最後に、TRUSTDOCK導入を検討している企業さまへのメッセージをお願いします!
石川:私からは、弊社のような外国企業に向けて。
「郷に入ったら郷に従え」とあるように、日本には日本特有のルールがあります。だからこそ、全てを自分たちでやるのではなく、外部の専門業者に委託することで、より信頼性の高い形で法定要件を満たせるのだと思います。
私たちは「日本に馴染みたい」と思っておりますので、ぜひTRUSTDOCKを実装したTantanを使ってみてください!
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TRUSTDOCKでは、“本人確認のプロ”として企業のKYC関連業務をワンストップで支援するAPIソリューションを提供し、またデジタル身分証のプラットフォーマーとして様々な事業者と連携しております。eKYCソリューションの導入を検討されている企業の方々や、実際に導入プロジェクトを担当されている方々のためにPDF冊子「eKYC導入検討担当者のためのチェックリスト」を提供しており、eKYC導入までの検討フローや運用設計を行う上で重要な検討項目等を、計12個のポイントにまとめていますので、ぜひご活用ください。
なお、KYCやeKYCの詳細については、以下の記事も併せてご覧ください。
KYCとは?あらゆる業界に求められる「本人確認手続き」の最新情報を徹底解説
(文・長岡武司)